◆蟹江町・無筋の基礎の修繕工事が完了しました。炭素繊維シート「がんこおやじ」施工
ここ最近の暖かさで、桜も見ごろを迎えましたね。今週末は桜満開で、お花見日和なのではないでしょうか。さて、昨日、海部郡蟹江町のG様邸基礎修繕工事の立会いに行ってきました。現場では、左官屋さんのなべさんが、化粧のモルタル仕上げを行っています。
それだけなら、よくあることなんですが、今回は少し内容が違います。というのも、既設の基礎の状態が、かなり劣化していたのです。状況から見ると、打設時のコンクリートの撹拌不足などで、ジャンカができ、風雨にさらされて、表面がぼろぼろになっていました。触ると、砂利がぽろっと取れてしまうほどに。。。
この場合、対処の方法としては、現状の基礎の外に新たに基礎を作り、打ち増しするという方法が考えられます。しかし、今回現況基礎の状態が悪く、打ち込みアンカーなどの強度が取れるか、また、基礎に穴をあける事によって、強度を落してしまう事も考えられました。合わせて、トタンの張り直しや、雨水の配管のやり替えの必要もあり、コストとしてもかかってくるため、悩みました。
そこで、今回採用したのが、高速道路の高架などの構造物の補強でも採用されている、炭素繊維シートを利用した、基礎の補強方法。その名も【がんこおやじ】ネーミングは、どうかと思うが、実験データをみると、非常に有効な方法でした。
まずは水洗いをし、表面をきれいにします。次に、コンクリート改質剤を浸透させ、基礎の内部まで固めて劣化を抑えます。そして、下地処理を行います。
次にエポキシプライマーを塗布していきます。透明なタイプもあるようですが塗り厚を確認したいため、黄色の顔料が入ったタイプを選んでいるとのことです。
次にマトリックス樹脂の下塗りです。キアヌ・リーブスが出てきそうですが、炭素繊維を張りつけるための下地のようです。
そして炭素繊維の貼り付けです。 軽くて丈夫な炭素繊維は、先週の日曜日に終わってしまいましたが、TBS系列で放送されていた夢の扉で何度も出てきた21世紀の先端素材です。炭素繊維で水を浄化することを取り組んだり、人工関節に利用したり、もちろんコンクリート構造物の補強にも。まだまだ、コストのかかる製品ですが、実績が増えてお値打ちになってくることを期待します。
最後に、もう一度マトリックス樹脂を塗布して、珪砂をふりかけて完了です。何で砂を?となるかもしれませんが、マトリックス樹脂はプラスチックのようにカチカチでツルツルになってしまいますので、砂をふりかけてざらざらにする事によって、仕上げのモルタルが付きやすくします。
この後、なべさんがモルタル仕上げをして工事完了です。見た目もさることながら、工期も基礎を増し打ちするより短縮でき、お施主様の負担を軽くすることが可能です。