◆新旧の対比・・・名古屋市天白区の古民家再生現場より
名古屋市天白区野並 K様邸
築80年古民家再生現場です。
ナガセ建具さんによる、新しい建具がつきました。
左が新しいナガセ製障子。
右が古い既設障子。
左の新しい障子は色付けしていませんが、古民家の重厚な薄暗さの中では、
その真新しさは強調されず、
非常に素直に馴染んでいるのがわかります。
ガラスもまた、今では造られていない、昭和世代にはなつかしい柄ですね。
明るい縁側から見ると一目瞭然。
全てが明るさを欲する訳ではありませんね。
こんなことを書いていたら、
谷崎純一郎の「陰翳礼讃」を思い出しました。。。
古民家には確かに陰翳が存在します。
そしてそこから生まれる美が確かに存在します。
いや、そのほの暗さの中にしか存在しえない美があります。
思えば、僕が小さかった頃、夜はもっと暗かった気がします。
全てを白日の下にさらすような光はなかったですね。。。
明るくて非常に便利になった(特に老眼の僕には・・・)分、
捨て去ってしまった物もきっと多いのかも。
「星のや軽井沢」では客室にテレビを置いてないとか。
そういう空間に浸るのもたまにはいいですね。
でも、お金をださないと浸れないっていうのもなんだか?っていう気もしますが、
いろんな物があふれている現代は、きっとそういう時代なんでしょう。
ミニマムにするのにお金のかかる時代なんですね。
古い障子も実は、先代ナガセ製なんです。
組子の補修、建て付け調整等、結構手間がかかっています。