◆ベタ基礎のコンクリートの打設前に、かぶりの厚さをチェック!
ベタ基礎のコンクリートの打設前に、かぶり厚さをチェック
豊田市のI様邸古民家再生工事現場は、ベタ基礎のコンクリートの打設が行われます。その前にかぶり厚さをチェックです。かぶり厚さとは鉄筋を覆っているコンクリートの厚さのことです。コンクリートの表面から鉄筋の表面までの距離を言います。
鉄筋コンクリートはコンクリートのアルカリ性によって鉄筋が錆びるのを防いでいます。しかし、コンクリートが中性化したり、ひび割れなどから水分が入り込むと錆びてしまうため、充分なかぶり厚さを確保しないと、設計通りの強度を得られないだけでなく、耐久性に大きく関係します。建築基準法施工令には基礎の立上り(土に接する部分)のかぶり厚は40mm以上とし、底盤(土に接する部分)のかぶり厚は60mm以上としています。
ただ、これは新築工事の場合になりまして、改装工事や補強工事においては、この通りという事では無く、現場の状況や補強方法によってさまざまとなってきます。
今回、I様邸は新築工事の基礎配筋の方法に照らし合わせて計画していますので、チェックする所も同じ所を見ていきます。
基礎の底盤部のかぶり厚さ6センチ以上かどうか・・・・OK。各所問題ありません。
立上り部分のかぶり厚さを4センチ以上を確認。今回基礎の立ち上がり巾が180mmあるので、かぶり厚さもゆとりがあります。90mm確保。最少の場所でも80mmでしたので、OKです。
基礎の立上り部分におけるかぶり厚さ(コンクリートの表面から鉄筋までの距離)は、構造の耐久性や耐火性、耐食性を確保するために重要な要素です。以下に、かぶり厚さに関する基本的な情報をまとめます。
かぶり厚さの目的
- 耐食性の向上: 鉄筋が湿気や塩分などの外部環境から直接影響を受けないようにし、腐食を防ぎます。
- 耐火性の確保: 鉄筋が火災時に直接高温にさらされるのを防ぎ、構造全体の耐火性能を向上させます。
- 耐久性の向上: コンクリートの劣化を防ぎ、構造物の長寿命化に寄与します。
かぶり厚さの基準
かぶり厚さは、建築基準法や各種規格(例えば、日本の「鉄筋コンクリート構造設計規準」など)に基づいて決められます。以下に一般的な基準を示しますが、実際の設計では地域や使用環境、構造物の用途に応じて調整が必要です。
- 通常の環境: 最低かぶり厚さは20mm程度。
- 外部環境に露出する場合: 30mm以上が推奨される。
- 海洋環境や腐食性の高い環境: 40mm以上が必要となることが多い。
基礎の立上り部分におけるかぶり厚さ
基礎の立上り部分は、特に地面に接するため、湿気や腐食の影響を受けやすい部分です。そのため、かぶり厚さには特に注意が必要です。
- 基礎立上りの標準的なかぶり厚さ: 一般的に30mm以上が標準とされています。これは、地面からの湿気や化学物質による腐食から鉄筋を守るためです。
かぶり厚さの管理
正確なかぶり厚さを確保するためには、以下のポイントに注意します。
- 鉄筋の配置: 鉄筋の配置が設計図通りに行われているか確認します。
- スペーサーの使用: スペーサーを用いて鉄筋と型枠の間隔を確保し、正確なかぶり厚さを維持します。
- 型枠の精度: 型枠の精度が高いことを確認し、コンクリート打設時に鉄筋がずれないようにします。
- 現場での確認: 施工中および施工後に、かぶり厚さを実際に測定し、基準を満たしているか確認します。
基礎の立上り部分におけるかぶり厚さは、構造物の耐久性や安全性を確保するために重要な要素です。適切なかぶり厚さを維持することで、鉄筋の腐食を防ぎ、長期間にわたって構造物の性能を維持することができます。設計や施工の際には、地域の規格や環境条件に基づいて適切なかぶり厚さを設定し、厳密に管理することが求められます。