◆木製戸袋の修理・造替工事【愛知県豊明市】戸袋・戸箱リフォーム

木製戸袋の修理・造替工事【愛知県豊明市】

愛知県豊明市のS様邸より、木製戸袋の修理依頼をいただきました。戸袋とは戸箱とも呼ばれており、雨戸を収納するためのBOXです。S様邸の戸袋は、しばらく手入れがされておらず、鏡板（かがみいた）が外れた状態で、室内に隙間風が入らない様にカーテンで覆われていました。

欄間、鏡板のみの部分的な修理も可能でしたが、側板の下部に深刻なダメージがあったため、今回は全てを新しく造り替えることにしました。

 

【現状】

欅の欄間も中に落ちていました。

劣化で杉板が外れてしまっています。

 

サボテンの頭突きをくらい、被害も大きくなった模様です…

側板も割れてきました。

元の戸箱を丁寧に解体していく白井君。

工事の流れ

今回のご依頼では、工事の約8割は工場での作業が占めています。主に使用する材料は赤身の杉板で、選定から仕上げまで丁寧に行っています。すべての材料は、一つひとつ手作業で加工し、側板の細工も施していきます。

赤身の杉板は、杉の木の中心部分から取れる木材で、一般的に以下のような特徴があります。

1. 耐久性が高い
   赤身部分は、杉の外側（白太）に比べて樹脂や油分が多く含まれており、耐久性に優れています。特に防腐性や防虫性が高く、外部の工事や屋外に面する部分の建材としても使われます。

2. 美しい木目
   杉特有の美しい木目が際立っており、見た目が非常に魅力的です。赤身部分は濃い赤みがかった色合いが特徴で、年月とともに深みのある風合いに変わっていきます。

3. 湿気に強い
   杉は吸湿性と放湿性が高いため、湿度の変化に対しても比較的安定しています。これにより、赤身の杉板は屋外や湿気の多い場所でも形状の変化が少なく、長期間使用できます。

4. 軽量で加工しやすい
   杉は軽量で柔らかいため、加工がしやすいという利点があります。特に建具や戸袋のような手作業が多い工事では、扱いやすい素材として重宝されています。

5. 断熱性と防音性
   赤身の杉は断熱性や防音性にも優れ、快適な居住環境を提供します。家の断熱材や外壁材としても人気があります。

赤身の杉板は、見た目の美しさと優れた機能性の両方を兼ね備えた材料です。特に外部に面する建具や、長期間の耐久性が求められる部分に適しています。

桧を使った押縁（おしぶち）です。

強度の高い「2段2枚ほぞ」仕口を採用。これは、建具や家具の接合部に用いられ、変形や引き抜きに強い特徴があります。

 

 

組み立てと取り付け

 

手間をかけて、ひとつひとつ丁寧に仕上げた部材を組み立てます。かなり工程の説明を割愛していますが、これでようやく戸袋が完成。天気の良い日を見計らって、現地での取り付け作業を行いました。

詳しい工程は現場日記をご覧ください。

木製戸袋の修理・造替についてのご相談は、お気軽にお問い合わせください。そのほか、木製雨戸や手すり、数寄屋門や、蔵のリフォーム、日本家屋のリフォーム全般おまかせください。マツミの大工が伝統的な技術で美しく修復いたします。

 

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